2021年8月1日に札幌市で開催した道労連「第34回定期大会」で確認した大会宣言です。
大会宣言
今大会は、新型コロナ感染拡大が止まらず国民に不安が広がるもとで、菅政権は「安全・安心」の言葉だけを繰り返し、過去最大の感染者数にも関わらず人流が拡大するオリンピックが開催される中で行われました。
売り上げや勤務時間の減少により収入が激減する労働者。経営の先行きが見通せず十分な補償もないままに「時短」や「休業」を延々と要請される事業者。日々の生活に困窮し、食料を求めて列をなす学生。慢性的な人手不足のもとで終わりのない緊張と疲労に押しつぶされそうになりながら踏ん張っている医療・介護・保健所。「なんとかしてほしい」の声は、職場でも、地域でも、ネット上でもあふれています。
「問題意識を持たないと、私や周りの人が経験してきたことがずっと繰り返されていく。行動しないのは黙認と同じです」-。子育て緊急事態アクションでリーダーシップを発揮したさっぽろ青年ユニオンの仲間は以前、「デモをやって社会が変わるのかな」と疑問を感じていた一人です。
労働組合を知り、声をあげることで、「私の要求」が共感を広げて「私たちの要求」となり、団結と連帯が大きなパワーと変化を生み出すことを、今大会の討論を通じて共有しました。
労働組合は「誰のためにあるべきか」をコロナ禍のいまこそ問い直し、現場のリアルな実態と思いを外へ、外へと広げていくこと、現場で奮闘している当事者が声をあげられるよう労組がオーガナイズすること、多様な人たちと連帯して職場・地域・社会・政治を変えていく運動を広げましょう。
コロナ禍のもと、労働者、とりわけ非正規・女性労働者が真っ先に雇止めなどで切り捨てられています。私たちは、全労連に結集する全国の仲間とともに、「ひとりの『仕方がない』から『みんなで変える』」を合言葉に、雇用調整助成金の拡充や休業支援金の支給など、国や自治体の制度政策に反映させてきました。同時に、労働相談でつながった労働者を仲間に迎え入れ、新しい労働組合の結成や組合員の拡大にも繋げてきました。
少人数学級実現の運動は、小学校全学年で35人学級を実現させる大きな成果を勝ち取りました。「#100日後に一揆する看護師」や「#子育て緊急事態宣言」をはじめとしたSNSによる拡散の力は、「当事者のリアル」とその声を表出するための地道なオルグ活動があったからこそ、社会にメッセージを発信する強力なツールとして機能し、「私もそう思う」の共感が五月雨式に拡がって世論を動かしてきました。
北海道二区補選をはじめ、長野の補欠選挙、広島の再選挙で全ての野党統一候補が勝利したことは、要求に根差した粘り強い運動、共同の運動が着実に前進し、「現状を何とかしてほしい」との世論と響き合うなかで要求実現に繋がっていることを示しています。労働者・国民犠牲の政治を転換し、市民と野党の共闘で要求に応える政治勢力を大きくしていくために、要求でたたかう選挙運動をいっそう強化していきましょう。
今こそ、道労連の出番です。
本日決定した「いのちまもる緊急行動」をはじめ、「あるべき賃金・労働条件」の追求、最低賃金1500円・全国一律制実現、非正規差別NG、労働時間短縮・過労死根絶、社会保障制度の拡充、持続可能な地域社会、改憲阻止、人権と民主主義を守るたたかい、「現場の声」が届く政治、強く大きな道労連づくりなどの方針を全道各地ですすめようではありませんか。
団結こそ力。私たちはたたかう。働く人びとの希望に輝く未来のために。
2021年8月1日
北海道労働組合総連合 第34回定期大会
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